【訪問介護】国保連への介護保険請求業務(レセプト)の流れ



訪問介護事業所の開業を検討している皆様は、「介護保険請求って具体的にどんなことを行うの?」や「介護保険請求の一連の流れを知りたい」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、介護保険請求の仕組みや請求業務のスケジュール、注意点などについてご紹介していきます。
また、無料でダウンロードできる介護保険請求業務のマニュアルもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

目次

介護保険請求(レセプト)業務とは?

介護保険請求(レセプト)業務とは、提供した介護サービスの対価である介護給付費を国民健康保険団体連合会(以下、国保連)に請求する業務を指します。
介護保険請求業務では、サービス提供月の翌月の10日までに、サービス提供の実績から介護給付費請求書や介護給付費明細書を作成し、国保連へ伝送します。

介護報酬請求の仕組み

訪問介護事業所が、介護サービスを提供した対価として介護報酬を利用者様と国保連へ請求します。
介護報酬は、利用者負担金として1~3割の金額を利用者様へ請求し、残りの7〜9割を、国保連へ請求します。国保連は、保険者(市町村)から委託を受け、介護給付費等の審査や支払い等の業務を行っています。

介護報酬請求の仕組み

訪問介護の介護報酬の構造

訪問介護事業所が受け取る介護報酬の構造は、

  • 基本報酬
  • 加算・減算

に分類することができます。
基本報酬に各種加算・減算の項目を加減した介護報酬の総額を算定し、負担割合に応じて利用者様と国保連に対して請求を行うことになります。

訪問介護の基本報酬の考え方

訪問介護の基本報酬は、「身体介護」、「生活援助」、「通院等乗降介助」の3つに分類されています。このうち、「身体介護」と「生活援助」は、サービスを提供する時間の長さに応じて金額(単位数)が定められています。

訪問介護の基本報酬

例えば、「身体介護が中心」で「サービス提供時間が20分以上30分未満」の場合は250単位ですが、「生活援助が中心」で「サービス提供時間が20分以上45分未満」の場合は183単位となります。

訪問介護で介護報酬を請求するために必要な書類

訪問介護事業所が介護報酬を国保連と利用者様へ請求するために必要な書類は、以下の3つです。

【介護給付費の請求に必要な書類】

  • 介護給付費請求書
  • 介護給付費明細書
  • 利用料請求書

介護給付費請求書・介護給付費明細書の書き方

国保連へ提出する介護給付費請求書と介護給付費明細書の書き方については、以下の記事で詳しく説明しておりますので、ご覧ください。

リンク: 介護給付費請求書(様式第一)の書き方・記載例と様式の無料ダウンロード
リンク: 介護給付費明細書(第二様式)の記載例とエクセルの無料ダウンロード

訪問介護の国保連への介護保険請求業務の流れ・スケジュール

訪問介護事業所がサービスの提供をしてから、介護給付費が国保連より振り込まれるまでの流れは以下の図のようになっており、約2カ月の期間がかかります。
特に開業時はサービス提供をしてから2カ月間は収入の大部分が入金されないため、その期間の運転資金を確保しなければなりません。

介護保険請求業務の流れ

訪問介護の介護保険請求業務の注意点

ここからは、訪問介護事業所で介護保険請求を行う際の注意点についてご紹介していきます。

注意点①返戻・保留になると支払いが行われない

返戻とは、介護給付費明細書の記載内容に誤りがあったために、国保連から事業所に介護給付費明細書が返却されることを言います。返戻となった介護給付費明細書は、再請求をしないと支払いが行われません。
また、保留とは、介護給付費明細書に誤りはないが、居宅介護支援事業所から給付管理票が提出されなかった場合や提出された給付管理票と相違があった場合などに、支払いが行われないことを言います。保留となった場合は、居宅介護支援事業所と給付管理票の提出・内容の確認について連絡をとる必要があります。

注意点②支払決定後に間違いに気づくと過誤申立が必要

過誤申立とは、介護給付費明細書が国保連によって審査され、支払いを受けた後に請求内容の間違いに気づいた場合、支払いを受けた介護給付費の返還を行うための手続きを言います。
過誤申立を行い、支払いを受けた介護給付費を返還し、その後、正しい金額・内容で請求を行うことになるので、介護給付費の入金が遅くなることになります。

注意点③要介護度が未定の利用者様は月遅れ請求になる

月遅れ請求とは、サービス提供月の翌月10日までに請求することができず、翌々月以降に請求することを言います。
訪問介護事業所では、要介護認定審査中の利用者様を受け入れることもあり、国保連に請求する日までに要介護認定の結果が判明していない場合は、月遅れで請求することになります。
要介護認定の結果が判明したらすぐに請求できるように準備をしておく必要があります。

訪問介護の介護保険請求業務でミスを減らす方法

ここまでご紹介してきたように、介護保険請求業務ではミスがあると返戻や過誤申立などにより支払いの遅れや返金が生じてしまうため、できるだけミスを減らしたいと考える経営者は多いでしょう。
介護保険請求業務のミスを減らすためには、

  • ケアマネジャーと適切に連携し、給付管理票と介護給付費明細書の差異をなくす。
  • 請求業務における転記ミスをなくすために、ダブルチェックの体制を整える。
  • 記録から実績への転記ミスをなくすために、記録が請求データと連動している介護ソフトを導入する。

などが考えられます。

介護請求業務のミスを減らすならカイポケがおすすめ

訪問介護に対応している記録・請求ソフトのカイポケは、訪問介護員がスマートフォンで入力した記録が実績にそのまま反映されるため、転記ミスを減らすことができます。
また、「カイポケケア連携」機能で、ケアマネジャーから送付される提供票をデータで受け取れるほか、メッセージを交換できるため、ケアマネジャーと適切な連携をとることにも役立ちます。
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まとめ

ここまで、訪問介護事業所における介護保険請求の仕組みや介護保険請求業務のスケジュールや注意点などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
介護保険請求では、日々の介護記録から実績を作成し、居宅介護支援事業所の給付管理票と相違のないように介護給付費請求書・明細書を作成しなければなりません。書類作成をする上でできるだけミスを減らすためにも、記録が自動的に実績へ反映される介護ソフトの導入を検討してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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