訪問介護事業所の立ち上げにおすすめな助成金・補助金【開業】
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訪問介護事業所の開業を考えている皆様の中には、「訪問介護事業所の立ち上げをする際に利用できる補助金や助成金はあるの?」や「訪問介護事業所を開業した後は、どのような補助金を利用できるの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、訪問介護事業所を立ち上げ・開業する際の資金調達方法や、訪問介護の立ち上げ時や開業後に活用できる助成金・補助金の支給金額や申請要件についてご紹介していきます。
こちらでご紹介する助成金・補助金の支給要件や金額などは、2023年7月時点の情報を掲載しています。詳細については各助成金・補助金の募集要項をご覧ください。
目次
- 訪問介護事業所で活用できる助成金・補助金の一覧
- 訪問介護事業所を立ち上げ・開業する際の資金調達方法
- 訪問介護事業所の開業・立ち上げにおすすめな助成金・補助金
- 訪問介護事業所の開業後に活用できる助成金・補助金
- 訪問介護事業所の開業をカイポケが支援します!
- まとめ
訪問介護事業所で活用できる助成金・補助金の一覧
助成金や補助金とは、国や公共機関から支給される返済の必要がない資金のことを指します。
両者には受給のしやすさや交付される金額の大きさに違いがありますので、比較して説明します。
助成金は、長期間にわたり募集が行われているため、支給条件を満たせば交付を受けられる可能性が高いですが、補助金は、一定の期間だけ募集が行われ、施策に対しての予算が決まっていることから、申請しても交付を受けられないことがあります。
また、支給金額は、助成金よりも補助金の方が大きい傾向にあります。
訪問介護事業所を立ち上げる際や開業後に活用できる助成金・補助金は、以下のようになります。
【訪問介護事業所で活用できる助成金・補助金の一覧】
- 事業再構築補助金
- 千葉市創業支援補助金(千葉県)
- 泉大津市創業支援事業補助金(大阪府)
- 福岡よかとこ起業支援金(福岡県)
- IT導入補助金
- 特定求職者雇用開発助成金
- トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
訪問介護事業所を立ち上げ・開業する際の資金調達方法
訪問介護事業所を立ち上げる際は、会社設立の費用、物件の賃貸費用、設備・備品に関する費用、職員の採用に関する費用などの開業資金が必要になります。
開業資金は、
- 助成金・補助金
- 自己資金
- 親族・知人からの借入
- 金融機関からの融資
といった様々な手段で、資金調達を行うことになります。
介護事業所に必要な資金や資金調達の方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
訪問介護事業所の開業・立ち上げにおすすめな助成金・補助金
訪問介護事業所の開業・立ち上げにおすすめな助成金・補助金は、中小企業庁が管轄の事業再構築補助金のほか、各都道府県・市町村が行っている創業者向けの補助金などがありますので、ご自身の事業所を開業予定の自治体で創業者向けの補助金があるかどうか調べてみてください。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することを目的として、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編を行う中小企業などを支援する補助金です。
事業再構築補助金には、「成長枠」、「産業構造転換枠」などの8つが設けられています。ここでは、例として成長枠の支給金額や申請要件についてご紹介していきます。
事業再構築補助金(成長枠)の支給金額
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
20人以下 | 2,000万円 | 【中小企業】 1/2 (大規模な賃上げを行う場合 2/3) 【中堅企業】 1/3 (大規模な賃上げを行う場合 1/2) |
21~50人 | 4,000万円 | |
51~100人 | 5,000万円 | |
101人以上 | 7,000万円 |
事業再構築補助金(成長枠)の申請要件
- 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受ける
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均4.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均4.0%以上増加させる
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※)に属している
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させる
※対象となる業種・業態は、事務局が指定
千葉市創業支援補助金
千葉市創業支援補助金とは、千葉県千葉市における創業を推進するために、特定創業支援等事業(創業者向けセミナー等)を受講した意欲ある、事業継続の見込まれる創業者に対して、創業に必要な経費の一部を支援する補助金です。
千葉市創業支援補助金の支給金額
- 補助対象経費(税抜き)の2分の1以内の額で、補助限度額30万円
千葉市創業支援補助金の補助対象経費
- 創業時に必要な経費(申請書作成等経費他)、事業活動に直接関わる経費(工事費、設備費、広報費他)
※消耗品費や日常的な事業活動に係る経費ではなく、創業準備、事業開始に必要となる経費であること。
千葉市創業支援補助金の申請要件
- 補助金交付申請時点で創業2年以内の創業者又は創業予定者
- 特定創業支援等事業の全日程を受講した創業者又は創業予定者(特定創業支援等事業のセミナー等最終日の翌日を起算日として、受講から2年以内)
- 千葉市内に住民票若しくは主たる事業所を置く個人又は本市内に本店を設置する法人であること
- 税金について、適正に申告し、滞納がないこと
- 雇用保険法(昭和49年法律第116号)、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)、健康保険法(対象11年法律第70号)及びその他関連法規等に基づく届出、申請、認定等の事務が適正に行われていること
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)に抵触しないこと
- 個人が申請する場合、成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者ではないこと
- 本市の産業振興に寄与することが期待されること
- フランチャイズ契約を締結し、実施する事業でないこと
- 店舗等に集客する事業の場合、店舗等の場所及び契約時期の目途が立っていること
- 補助対象期間の満了後、市内で事業を継続する意思があること
- 本補助金の交付を受けたことがないこと
- 本市が行う照会等に積極的に協力する意思があること
など
泉大津市創業支援事業補助金
泉大津市創業支援事業補助金とは、大阪府泉大津市の更なる地域産業の活性化や新たな雇用創出を目的とし、市内の店舗等を活用し、新たに事業を始める事業者に対して家賃の一部を支援する補助金です。
泉大津市創業支援事業補助金の支給金額
補助対象経費 | 家賃(共益費除く) |
---|---|
補助額 | 2分の1 上限:5万円 |
補助対象期間 | 12カ月 |
泉大津市創業支援事業補助金の申請要件
- 泉大津市で創業、第二創業をおこなう方
- 市外からの転入する方でかつ下の条件を全て満たす方
- 本市内の店舗等にて事業を営むこと
- 中小企業基本法第2条で定める者(みなし大企業、大企業とフランチャイズ契約を締結している者を除く)であること
- 週4日以上営業を行うものであること
- 泉大津市の市税を滞納していないこと
- 許認可等を必要とする業種の創業にあっては、既に当該許認可等を受けていること
- 補助金の交付を受けようとする者が、直接事業又は営業に携わること
- 5年以上継続して事業を営む意思を有すること
- 市内に既にある店舗等の単なる移転ではないこと
- 補助金の交付を受けようとする者は、営利を目的とする事業を主たる事業として営むこと
- 創業等を行う物件については、店舗等として補助対象者が自ら賃貸借契約書を締結していること
など
福岡よかとこ起業支援金
福岡よかとこ起業支援金とは、地域課題の解決を目的として、福岡県内で新たに起業する事業者、事業承継または第二創業する事業者に対して、補助金を交付し事業の立ち上げを支援する補助金です。
福岡よかとこ起業支援金の支給金額
- 補助額:上限200万円
- 補助率:起業等に要する対象経費の2分の1以内
福岡よかとこ起業支援金の申請要件
- 令和5年4月1日以降、起業支援事業の補助事業期間の完了日(以下、「完了日」という。)までに個人事業の開業届出又は株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、企業組合、協業組合、特定非営利活動法人等(以下「法人等」という。)の設立を行い、その代表者となる者であること
- 福岡県内に居住又は、完了日までに県内に居住する予定であること
- 法人等の登記又は個人事業の開業の届出を県内で行う者であること
- 起業等をする者又は法人等の役員等が暴力団等の反社会的勢力又は反社会的勢力との関係を有する者ではないこと
- 法令遵守上の問題を抱えている者ではないこと
- 本事業の実施年度、若しくは、それ以前の年度における「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」2次審査参加者、又は令和3年度以降の「県内市町村が実施するビジネスプランコンテスト※」参加者(「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」2次審査参加者と同様に各ビジネスプランコンテストにおいてビジネスプランのブラッシュアップを受けた者に限る)、又は令和3年度以降の「フクオカベン チャーマーケット」登壇者であること
など
訪問介護事業所の開業後に活用できる助成金・補助金
IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入した場合に経費の一部を支援する補助金です。
IT導入補助金は、通常枠の「A類型」、「B類型」、「セキュリティ対策推進枠」、デジタル化基盤導入枠の「デジタル化基盤導入類型」、「複数社連携IT導入類型」の5つが設けられています。
IT導入補助金についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金とは、高年齢者や障害者等の就職困難者、生活保護受給者、就職氷河期世代などを、ハローワーク等の紹介によって、継続して雇用する職員として雇い入れた場合に支給される助成金です。
特定求職者雇用開発助成金は、以下の5つのコースに分かれており、それぞれ助成金額や給付条件が違います。
- 特定就職困難者コース
- 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
- 就職氷河期世代安定雇用実現コース
- 生活保護受給者等雇用開発コース
- 成長分野等人材確保・育成コース
例として、生活保護受給者等雇用開発コースの支給金額と申請要件を見ていきましょう。
生活保護受給者等雇用開発コースの支給金額
生活保護受給者等雇用開発コースの支給金額は、企業規模に応じて1人あたり以下の表の通りです。
対象労働者 | 支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの支給額 |
---|---|---|---|
短時間労働者以外の者 | 60万円(50万円) | 1年(1年) | 30万円×2期 (25万円×2期) |
短時間労働者 | 40万円(30万円) | 1年(1年) | 20万円×2期 (15万円×2期) |
※()内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間。
生活保護受給者等雇用開発コースの申請要件
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
- 雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること(対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上)
など
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)とは、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定期間試行雇用(トライアル雇用)を行った場合に支給される助成金です。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の支給金額
支給対象者1人につき月額4万円(※)。
※対象労働者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は5万円
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の申請要件
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、労働者・雇入れの条件のいずれにも当てはまる場合、助成金が支給されます(このほかにも支給要件あり)。
【労働者の条件】
次の1から4のいずれにも該当する。
- 1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用による雇入れを希望していて、トライアル雇用制度を理解した上で、トライアル雇用による雇入れについても希望している
- ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以下「ハローワーク等」という。)に求職申込をしている
- ハローワーク等の職業紹介の日(以下「紹介日」という。)において、次のaからdまでのいずれにも該当しない者であること
- 安定した職業に就いている
- 自ら事業を営んでいる者又は役員等に就いていて、1週間当たりの実働時間が30時間以上
- 学校に在籍している
- トライアル雇用期間中のトライアル雇用労働者
- 次のaからeまでのいずれかに該当する
- 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
- 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている
- 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
- 生年月日が1968(昭和43)年4月2日以降で、かつ安定した職業に就いておらず、ハローワーク等において担当者制による個別支援を受けている
- 就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する(生活保護受給者、母子家庭の母等)
【雇入れの条件】
- ハローワーク等の紹介により雇い入れる
- 原則3か月のトライアル雇用をする
- 1週間の所定労働時間が、通常の労働者の1週間の所定労働時間(30時間以上)と同じ
訪問介護事業所の開業をカイポケが支援します!
訪問介護事業所を開業する際には、金融機関からの融資によって資金調達をすることが一般的です。また資金調達以外にも、開業に向けて事業計画の作成、法人設立、従業員の採用、利用者獲得のための営業など、経営者がやらなくてはならないことはたくさんあります。
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まとめ
ここまで、訪問介護の立ち上げ時や開業後に活用できる助成金・補助金の支給金額や申請要件についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
訪問介護事業所の立ち上げや開業に活用できる補助金は、この記事で紹介したもの以外にも、各都道府県や市町村で実施されていますので、ご自身の事業所の開業予定地で創業者向けの補助金があるかを確認しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。