訪問介護の開業で失敗してしまう原因とその対策とは?開業事例もご紹介



訪問介護事業所の開業を検討している皆様の中には、「訪問介護事業所を開業したいけど、失敗しないだろうか?」や「訪問介護事業所を開業して失敗しないためにはどうすればいいの?」といった悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、訪問介護事業所の開業に失敗してしまう原因や、失敗しないための対策、倒産した訪問介護事業所数の推移などについてご紹介していきます。

右下がりのグラフが画面に出ているノートパソコンの写真

目次

訪問介護事業所の廃業・倒産数

東京商工リサーチの「訪問介護事業者の倒産動向調査」によると訪問介護事業所の倒産件数は、2022年で「50件」となっています。
そして直近の東京商工リサーチ「訪問介護事業者の倒産動向調査」(2023年1-8月)の結果によると、2023年1-8月の倒産件数は44件で前年同期の約1.5倍となっており、過去最大の倒産件数だった2019年の58件を大幅に上回る可能性もあるとされています。

(東京商工リサーチ2022年「老人福祉・介護事業」の倒産状況 を基に作成)

訪問介護事業所の倒産が増えている理由

東京商工リサーチ2023年1-8月「訪問介護事業者の倒産動向調査」によると、2023年1-8月に倒産した訪問介護事業所44件のうち、『コロナによる倒産』は17件、『人手不足による倒産』は9件と、前年同期と比べてそれぞれ大幅に増加したようです。
水道光熱費等の物価高だけでなく、訪問介護員の高齢化等による人手不足や、新型コロナウイルス感染症に関連する支援が終了したことなどによる影響で、訪問介護事業所の倒産が増えていることが推察されます。

訪問介護の開業で失敗してしまう原因

訪問介護事業所の開業で失敗してしまう要因は、大手との競合や運転資金の不足、利用者不足などが考えられます。それでは、訪問介護の開業に失敗してしまう原因を詳しくご紹介していきます。

原因①大手との競合

訪問介護事業所を開業した地域において、大手の事業所が既に算入をしていた場合、新規で算入する事業所は経営の継続が厳しくなる可能性があります。
大手との競合で倒産してしまう理由としては、

  • 新規算入した小規模事業所は大手の事業所ほど知名度がないため、ケアマネジャーや利用者様の認知や信頼を獲得するのに時間がかかる。
  • 大手の事業所は資金力や採用のノウハウを持っていることが多いため、新規参入した事業所は人材確保の面で不利になる。

などが考えられます。

原因②運転資金の不足

運転資金が不足し、資金繰りが回らなくなってしまうと倒産してしまう可能性があります。
訪問介護事業所では、開業時に運転資金を準備しますが、その金額が十分ではないと、収入の減少や水道光熱費やガソリン代等の高騰による支出の増加によって運転資金不足に陥る恐れがあります。

原因③利用者不足

訪問介護事業所の収入源は介護報酬であり、訪問介護の売上は「訪問回数×訪問1回あたりの単価」で決まります。ですから、利用者数や訪問回数が減れば、売上も減少することになり、予定している収入が得られないと赤字になってしまいます。

原因④人材不足

訪問介護事業は訪問介護員がいなければ成り立たない事業です。例えば、開業前に「1カ月あたりこのくらいの訪問回数があれば黒字になるだろう」というような計画を立てていたとしても、その訪問回数をこなせるだけの訪問介護員を確保することができなければ、見込んでいた売上を確保することができず、倒産してしまう可能性があります。

訪問介護の開業に失敗しないための対策

訪問介護事業所の開業に失敗しないためには、どのような対策を講じる必要があるのでしょうか。ここからは、訪問介護事業所の事業所運営に失敗しないための対策をそれぞれご紹介していきます。

対策①事前に競合調査をする

倒産を防ぐためには、事前に事業所を開業する予定の地域の競合調査をすることが重要になってきます。
開業予定の地域に既に大手の事業所がいたとしても、

  • 競合の事業所のキャパシティを超えるような高齢者数の増加が見込まれる地域のため、新規の事業所が算入する余地がある
  • 大手との差別化により利用者様の確保が期待できる

などといった場合は、その地域に開業して事業が成り立つ可能性があるでしょう。

対策②十分な運転資金を準備する

運転資金不足により資金繰りが悪化して倒産することを防ぐためには、十分な運転資金を確保しておくことが大切です。
一般的には、訪問介護事業所の開業時にかかる費用は、物件の賃貸契約に係る費用や法人設立申請費用、車両や備品の購入費用などで約300万円かかるのに対し、人件費や家賃などの運転資金(半年分)は約700万円かかると言われています。
事業所の規模などによって必要となる運転資金の金額は変わるので、事業規模を考え、そのうえで余裕を持った運転資金を準備しましょう。
また、万が一、運転資金が底をつきそうになった際に融資を頼めるように金融機関との関係構築もしておきましょう。

対策③営業活動に力を入れる

利用者不足にならないためには、利用者獲得のための営業活動を十分に行い、居宅介護支援事業所のケアマネジャーと信頼関係を構築していくことが大事です。
利用者獲得のポイントについて、 詳しくはこちらの記事をご覧ください

対策④人材採用と定着のための取り組みを行う

職員が辞めるということは、新しく職員を採用しなくてはいけない状況になるということなので、採用に係る費用や人材育成に係る費用・時間などがかかってしまいます。ですから人材採用に力を入れるだけでなく、定着のための取り組みを行うこともポイントとなってきます。
採用活動においては、募集する媒体をひとつにしぼらず、ハローワークや有料人材紹介、SNSなど、様々な媒体・方法を試すことが採用への近道となるでしょう。
また、時間とお金をかけて採用した従業員にできるだけ長く働き続けてもらうためには、働く上での不満や不安をキャッチアップして職場環境の改善を続けていくことが大切です。

訪問介護の開業手順・流れ

訪問介護を開業する手順・流れは、以下のようになります。

【訪問介護事業所を開業する流れ】

  • 法人設立
  • 事業計画書の作成
  • 開業資金の調達
  • 物件探し・契約
  • 従業員を採用
  • 備品等の調達
  • 指定申請
  • 請求ソフトの手配
  • 利用者様の獲得

訪問介護事業所の立ち上げの流れについて、 詳しくはこちらの記事をご覧ください

訪問介護の開業をカイポケがサポートします!

訪問介護事業所を立ち上げるためには、指定申請などの行政手続き、事業計画書の作成、従業員の採用活動など、やらなければならないことが多くあります。
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「身近に開業について相談できる人がいない」、「できるだけ開業で失敗するリスクを減らしたい」などといった悩みをお持ちの方は、ぜひカイポケ開業支援へご相談ください。

カイポケ開業支援を利用して訪問介護事業所を開業した方々の声

ここでは、カイポケ開業支援を利用して訪問介護を開業した皆様の声をご紹介します。

資金繰りは早めに計画を立てることがおすすめ

資金繰りは一番最初にでてくる不安だと思うので、早めに計画を立てることがおすすめ。1年など、長いスパンをもって計画的に動くことができたら、不安が安心感に変わる。
カイポケさんと話した最初の頃、私が持っている資金を伝えたところ「銀行からこれくらい借りられると思う」という情報を教えてくれたので、闇雲に心配をするのではなく、「目安資金の中でどのように回していくのかの計画を立てよう」と考えることができた。融資も予定通り借りることができた。

経験を積み、地盤を固めてから開業

17年間介護業界に携わってきたので、開業準備を振り返って特に大きく困ったことはなかった。しいて言うなら、法人設立や税金回りの処理、申請などが大変だったが、カイポケがやり方やタイミングを教えてくれたので、大幅に困ったことや予想外のことは特になかった。
また、訪問介護に勤めていた際のエリアで開業をするため、地盤はできている。妻もケアマネで幸いなことに知り合いも多いため、営業活動に特に不安はない。経験を積み、地盤を固めてから動き出したこともあって安心して進めていけたという形だった。

まとめ

ここまで、訪問介護事業所の開業に失敗してしまう原因や、失敗しないための対策、倒産した訪問介護事業所数の推移などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
訪問介護事業所を立ち上げる際は、法人設立や事業計画書の作成、指定申請などの他にも、開業してから失敗しないための競合調査や運転資金の調達といった対策を講じることが大切です。
もし開業準備に不安がある場合は、ぜひ『カイポケ開業支援』をご活用いただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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