地域密着型通所介護(デイサービス)の人員基準とは?
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地域密着型通所介護の開業・立ち上げを検討している皆様の中には、「地域密着型通所介護の職員の配置要件はどうなっているの?」や「人員基準を守らないとどうなるの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、地域密着型通所介護の人員基準の内容や人員基準を守らなかった場合にどうなるかなどについてご紹介していきます。
目次
地域密着型通所介護(デイサービス)とは?
地域密着型通所介護とは、要介護1以上の利用者様に施設へ通ってもらい、入浴・排せつ・食事等の介護や、生活等に関する相談および助言・健康状態の確認、機能訓練などを行うサービス種別です。利用者様の社会的孤立感の解消・心身の機能維持、ご家族の身体的・精神的負担を軽減することを目的としています。
2016年度から定員18人以下のデイサービスは地域密着型通所介護として位置付けられ、市町村が指定を行うことになりました。
地域密着型通所介護(デイサービス)の人員基準とは?
地域密着型通所介護の人員基準は、管理者が常勤専従で1人、生活相談員が1人以上、看護職員が1人以上、介護職員が利用者様の数が15人までは1人以上、利用者様の数が15人を超す場合は1人に利用者様の数が15人を超えた人数を5で割った数を加えた数以上、機能訓練指導員が1人以上という人員配置が定められています。
人員基準を満たしていないと指定申請を行うことができませんから、開業予定日に間に合うように、計画的に職員の採用を進めていくことになります。
地域密着型通所介護の管理者の配置基準
地域密着型通所介護の管理者の人員配置基準は以下の通りです。
配置基準 | 資格要件 |
---|---|
常勤専従で1人 | 特になし |
管理者は、以下の場合であって事業所の管理業務に支障がない場合、他の職務を兼ねることができます。
- 地域密着型通所介護事業所の従業者としての職務に従事する場合
- 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に事業所の管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、他の事業所、施設等の管理者または従業者としての職務に従事する場合
地域密着型通所介護の生活相談員の配置基準
地域密着型通所介護の生活相談員の人員配置基準は以下の通りです。
配置基準 | 資格要件 |
---|---|
専従で提供日ごとの勤務延時間数をサービス提供時間数で割った数が1人以上 | 社会福祉主事、社会福祉士、精神保健福祉士、それらと同等以上の能力を有すると認められる者 |
生活相談員の勤務延時間数には、利用者様の地域生活を支える取り組みのために必要な以下のような時間も含めることができます。
- サービス担当者会議や地域ケア会議に出席するための時間
- 利用者宅を訪問し、在宅生活の状況を確認した上で、利用者様の家族も含めた相談・援助のための時間
- 地域の町内会、自治会、ボランティア団体等と連携し、利用者様に必要な生活支援を担ってもらうなどの社会資源の発掘・活用のための時間
地域密着型通所介護の看護職員の配置基準
地域密着型通所介護の看護職員の人員配置基準は以下の通りです。
配置基準 | 資格要件 |
---|---|
単位ごとに専従で1人以上※ | 看護師もしくは准看護師 |
※地域密着型通所介護の提供時間帯を通じて専従する必要はないが、地域密着型通所介護と密接かつ適切な連携(地域密着型通所介護事業所へ駆け付けることができる体制や適切な指示ができる連絡体制などの確保)を図るとされています。もしくは、病院・診療所・訪問看護ステーションと、提供時間帯を通じた密接かつ適切な連携により確保することも可能です。
同時に一体的に提供が行われる地域密着型通所介護サービスのことを「単位」と言います。例えば、次のような場合は2単位として扱われ、それぞれの単位ごとに看護職員を確保する必要があります。
- 地域密着型通所介護が同時に一定の距離を置いた2つの場所で行われ、これらのサービスの提供が一体的に行われているとはいえない場合
- 午前と午後で別の利用者様に対して地域密着型通所介護を提供する場合
地域密着型通所介護で定員が10人以下の場合
地域密着型通所介護定員が10人以下の場合、看護職員または介護職員の勤務時間数の合計をサービス提供時間数で割った数が1以上となるように、看護職員または介護職員を配置することが認められています。
つまり、定員10名以下の場合は看護職員または介護職員のいずれか1名を配置すれば人員基準を満たすことになります。
地域密着型通所介護の介護職員の配置基準
地域密着型通所介護の介護職員の人員配置基準は以下の通りです。
配置基準 | 資格要件 |
---|---|
①サービス提供時間に応じて専従で次の数以上
|
特になし |
地域密着型通所介護の人員基準の計算方法(介護職員)
地域密着型通所介護(定員11人以上)で人員基準を満たすためには、利用者数に応じて以下の計算式を満たすように介護職員を配置します。
- 利用者が15人以下の場合:単位ごとの勤務延時間数=サービスの平均提供時間数
- 利用者が16人以上の場合:単位ごとの勤務延時間数={(利用者数-15)÷5+1}×サービスの平均提供時間数
※サービスの平均提供時間数=利用者様ごとの提供時間数の合計÷利用者数
例えば、利用者数が18人、サービス提供時間(13:00~18:00)が5時間の場合、
- {(18-15)÷5+1}×5=8
となるため、この単位に勤務延時間数が8時間となるように介護職員を配置します。
地域密着型通所介護の機能訓練指導員の配置基準
地域密着型通所介護の機能訓練指導員の人員配置基準は以下の通りです。
配置基準 | 資格要件 |
---|---|
1人以上 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(※) |
※ただし、はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6カ月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限るとされています。
地域密着型通所介護(デイサービス)の指定基準とは?
地域密着型通所介護の指定基準とは、指定を受けるために満たさなくてはいけない基準で、人員基準以外に運営基準、設備基準が定められています。開業前に行う指定申請では、このうち人員基準と設備基準を満たしていることを証明するための書類を中心に、作成・提出することになります。
地域密着型通所介護(デイサービス)の運営基準とは?
地域密着型通所介護の運営基準には、事業所が適切なサービスを提供するために守らなければならないルールが定められており、サービス提供開始までの手順、提供するサービスの内容や提供方法、必要な書類や記録、取り組みなどが規定されています。
【地域密着型通所介護の運営基準の項目例】
- 内容および手続きの説明と同意
- 提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格等の確認
- 要介護認定の申請を援助
- 心身の状況等の把握
- 居宅介護支援事業者等との連携
- 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
- 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
- 居宅サービス計画等の変更を援助
- サービス提供の記録
- 利用料等の受領
- 保険給付の請求のための証明書の交付
- 地域密着型通所介護の基本取扱方針
- 地域密着型通所介護の具体的取扱方針
- 地域密着型通所介護計画の作成
- 利用者に関する市町村への通知
- 緊急時の対応
- 管理者の責務
- 運営規程
- 勤務体制の確保等
- 業務継続計画の策定等
- 定員の遵守
- 非常災害対策
- 衛生管理等
- 地域との連携等
- 記録の整備
など
地域密着型通所介護の運営基準について、 詳しくはこちらの記事をご覧ください。
地域密着型通所介護(デイサービス)の設備基準とは?
地域密着型通所介護の設備基準には、食堂や機能訓練室などの最低限設置しなくてはならない設備や備品などについて定められています。
【地域密着型通所介護で必要な設備・備品の例】
- 食堂
- 機能訓練室
- 相談室
- 事務室
- 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
- その他地域密着型通所介護の提供に必要な設備・備品
など
地域密着型通所介護の人員基準を守らないとどうなる?
地域密着型通所介護では、人員基準を満たせなければ、指定権者(市町村)から指定を受けることができず、開業することができません。さらに、事業所を運営する中で、看護職員または介護職員が人員基準を満たしていない場合、人員基準欠如減算が適用になります。
【看護職員または介護職員が基準を満たしていない場合】
単位数=基本報酬×70/100
従業員に欠員が生じている状況が継続する場合には、指定権者(市町村)から事業の休止等の指導を受けることがあります。その指導に従わずに事業を継続した場合、特別な事情がある場合を除き、指定取消等の行政処分を受けることもありますので注意しましょう。
地域密着型通所介護の開業をカイポケが支援します!
地域密着型通所介護を開業する際には、人員基準や設備基準、運営基準の内容をしっかり理解した上で指定申請に関する書類を作成するほか、法人設立、従業員の採用、利用者獲得のための営業など、事業者がやらなくてはならないことは多いです。
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まとめ
ここまで、地域密着型通所介護の人員基準の内容や人員基準を守らなかった場合のリスクなどについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
人員基準をクリアしなければ、地域密着型通所介護の指定申請を行うことができませんし、事業所の運営が始まってからも人員基準を遵守し続けることが必要です。ですから、人材を確保し定着してもらうための取り組みを行っていくことが重要になってくるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。