同一建物等減算(集合住宅減算)とは?【2021年度改定対応】



同一建物等減算とは、事業所と同一の建物等に居住する利用者に対する効率的なサービスの提供等を勘案した減算として設けられています。
訪問系サービス、通所系サービスの違いによって、同一建物等減算の対象となる建物の範囲に違いがあり、また、訪問系サービスでは、同一建物等の利用者の人数によって減算の率に差を設けられています。
令和3年度の介護報酬改定では、同一建物等減算を適用した場合の支給限度基準額の算定について改定が行われました。
この記事では、同一建物等減算の単位数や要件についてまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

同一建物等減算の該当する介護サービス種別

  • 訪問介護
  • (介護予防)訪問入浴介護
  • (介護予防)訪問看護
  • (介護予防)訪問リハ
  • 通所介護
  • (介護予防)通所リハ
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 地域密着型通所介護
  • (介護予防)認知症対応型通所介護

同一建物等減算の種類と単位数

訪問系サービスの同一建物等減算の種類と単位数

介護サービス種別 同一敷地内建物の居住者
同一建物に利用者20人以上
同一敷地内建物の利用者50人以上
訪問介護 90/100 85/100
(介護予防)訪問入浴介護 90/100 85/100
(介護予防)訪問看護 90/100 85/100
(介護予防)訪問リハ 90/100 85/100
夜間対応型訪問介護 90/100 85/100
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ー600単位/月 ー900単位/月

通所系サービスの同一建物減算の単位数

介護サービス種別 事業所と同一建物に居住する者または同一建物から利用する者
通所介護 ー94単位/日
通所リハ ー94単位/日
介護予防通所リハ 要支援1 ー376単位/月
要支援2 ー752単位/月
地域密着型通所介護 ー94単位/日
(介護予防)認知症対応型通所介護 ー94単位/日

同一建物等減算の要件

訪問系サービスの同一建物等減算の要件

以下のいずれかに該当した場合、減算を行うことになります。

  • 事業所と同一敷地内建物等に居住する利用者にサービスを提供した場合
  • 同一敷地内建物等以外の建物で、1月あたり20人以上の利用者が居住する集合住宅等に居住する利用者にサービスを提供した場合

※事業所と同一敷地内建物等に居住する利用者が、1月あたり50人以上の場合は減算の率が異なります。

通所系サービスの同一建物減算の要件

以下のいずれかに該当した場合、減算を行うことになります。

  • 事業所と同一建物等に居住する利用者にサービスを提供した場合
  • 事業所と同一建物から事業所に通う者にサービスを提供した場合

同一建物等の定義とは?

訪問系サービスの同一敷地内建物等の定義

同一敷地内建物等とは、「事業所と構造上または外形上、一体的な建築物」、及び「同一敷地内、隣接する敷地にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能な建物」を指します。
具体的には、同じ建物の別のフロアに事業所がある場合や渡り廊下などで繋がっている建物、同一敷地内の別棟の建物、幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当します。

訪問系サービスの同一の建物に20人以上居住する建物の定義

同一の建物に20人以上居住する建物とは、「同一敷地内建物等に該当しない建物」であり、「その建物に、その事業所の利用者が20人以上居住する建物」を指します。

通所系サービスの同一建物の定義

同一建物とは、事業所と構造上または外形上、一体的な建築物を指します。
具体的には、同じ建物の別のフロアに事業所がある場合や渡り廊下などで繋がっている建物が該当します。そのため、同一敷地内の別棟の建物や道路を挟んで隣接する場合は該当しません。

同一建物等減算の留意点

訪問系サービスの同一建物等減算の留意点

  • 事業所と同一建物について、その建物の管理や運営が訪問系サービス事業所の運営法人と異なる場合でも、同一建物として取り扱うことになります。
  • 「同一敷地内建物等」の50人以上に該当するかどうかは、1月間の利用者数の平均を用います。この平均は、当月における1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を、当月の日数で除して計算(小数点以下切り捨て)します。
  • 「同一の建物に20人以上居住する建物」の20人以上に該当するかどうかは、1月間の利用者数の平均を用います。この平均は、当月における1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を、当月の日数で除して計算(小数点以下切り捨て)します。また、第1号訪問事業と一体的な運営をしている場合は、第1号訪問事業の利用者を含めて計算します。
  • 「同一敷地内であっても、広大な敷地に複数の建物が点在する場合」や「隣接する敷地であっても、道路や河川などに敷地が隔てられており、横断するために迂回しなければならない場合」など、効率的なサービス提供につながらない場合には、減算が適用されません。
  • 同一建物等減算を適用する場合は、支給限度基準額の算定の際、減算前の単位数を算入することになります。

通所系サービスの同一建物減算の留意点

  • 事業所と同一建物について、その建物の管理や運営が通所系サービス事業所の運営法人と異なる場合でも、同一建物として取り扱うことになります。
  • 傷病、その他やむを得ない事情により一時的に送迎が必要であると認められる利用者に対して送迎を行った場合(建物の構造上自力での通所が困難である利用者に対して、2人以上の従業者が移動を介助した場合に限る)は、例外的に同一建物減算の対象になりません。
  • 同一建物減算は、支給限度額管理の対象外の算定項目になります。

同一建物等減算のQ&A

平成30年度介護報酬改定に関する(Vol.1)Q&A平成30年3月23日 問2
Q.
集合住宅減算についてはどのように算定するのか。
A.
集合住宅減算の対象となるサービスコードの所定単位数の合計に対して減算率を掛けて算定をすること。
なお、区分支給限度基準額を超える場合、区分支給限度基準額の管理に際して、区分支給限度基準額の超過分に同一建物減算を充てることは出来ないものとする。
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問5
Q.
月の途中に、集合住宅減算の適用を受ける建物に入居した又は当該建物から退居した場合、月の全てのサービス提供部分が減算の対象となるのか。
A.
集合住宅減算については、利用者が減算対象となる建物に入居した日から退居した日までの間に受けたサービスについてのみ減算の対象となる。
月の定額報酬であるサービスのうち、介護予防訪問介護費、夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)及び定期巡回・随時対応型訪問介護看護費については、利用者が減算対象となる建物に居住する月があるサービスに係る報酬(日割り計算が行われる場合は日割り後の額)について減算の対象となる。
なお、夜間対応型訪問介護費(Ⅰ)の基本夜間対応型訪問介護費については減算の対象とならない。また、(介護予防)小規模多機能型居宅介護費については利用者の居所に応じた基本報酬を算定する。
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問6
Q.
集合住宅減算について、「同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物」であっても「サービス提供の効率化につながらない場合には、減算を適用すべきではないこと」とされているが、具体的にはどのような範囲を想定しているのか。
A.
集合住宅減算は、訪問系サービス(居宅療養管理指導を除く)について、例えば、集合住宅の1階部分に事業所がある場合など、事業所と同一建物に居住する利用者を訪問する場合には、地域に点在する利用者を訪問する場合と比べて、移動等の労力(移動時間)が軽減されることから、このことを適正に評価するために行うものである。
従来の仕組みでは、事業所と集合住宅(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に限る。以下同じ。)が一体的な建築物に限り減算対象としていたところである。
今般の見直しでは、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合と同様の移動時間により訪問できるものについては同様に評価することとし、「同一敷地内にある別棟の集合住宅」、「隣接する敷地にある集合住宅」、「道路等を挟んで隣接する敷地にある集合住宅」のうち、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合と同様に移動時間が軽減されるものについては、新たに、減算対象とすることとしたものである。
このようなことから、例えば、以下のケースのように、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合とは移動時間が明らかに異なるものについては、減算対象とはならないものと考えている。
・広大な敷地に複数の建物が点在するもの(例えば、UR(独立行政法人都市再生機構)などの大規模団地や、敷地に沿って複数のバス停留所があるような規模の敷地)
・幹線道路や河川などにより敷地が隔てられており、訪問するために迂回しなければならないもの
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問7
Q.
「同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物」に該当するもの以外の集合住宅に居住する利用者に対し訪問する場合、利用者が1月あたり20人以上の場合減算の対象となるが、算定月の前月の実績で減算の有無を判断することとなるのか。
A.
算定月の実績で判断することとなる。
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問8
Q.
「同一建物に居住する利用者が1月あたり20人以上である場合の利用者数」とは、どのような者の数を指すのか。
A.
この場合の利用者数とは、当該指定訪問介護事業所とサービス提供契約のある利用者のうち、該当する建物に居住する者の数をいう。(サービス提供契約はあるが、当該月において、訪問介護費の算定がなかった者を除く。)
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A平成27年4月1日 問11
Q.
集合住宅減算について、サービス提供事業所と建物を運営する法人がそれぞれ異なる法人である場合にはどのような取扱いとなるのか。
A.
サービス提供事業所と建物を運営する法人が異なる場合も減算対象となる。
平成27年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)平成27年4月30日 問5
Q.
指定通所介護事業所等の設備を利用した夜間及び深夜の指定通所介護等以外のサービス(宿泊サービス)を連続して利用する場合に、初日と最終日を除き、行き帰りの送迎を実施しないことになるが、送迎減算(47単位2)と同一建物減算(94単位)のどちらが適用されるのか。
A.
同一建物減算(94単位)については、事業所と同一建物に居住する者又は事業所と同一建物から事業所に通う者について適用するものであるため、当該事案は送迎減算(47単位2)が適用される。
なお、初日と最終日についても片道の送迎を実施していないことから、送迎減算(47単位)が適用される。
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問26 訪問看護
Q.
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携した場合の報酬を算定する場合、同一建物に居住する利用者に対する減算は適用されるのか。
A.
適用されない。
平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)平成24年3月16日 問55
Q.
「建物の構造上自力での通所が困難」とは、具体的にどのような場合か。
A.
当該建物にエレベーターがない又は故障中の場合を指す。

最後に

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